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フルメタル・パニック!・完結 [小説]

※最初からネタバレ全開で行きます。


完結した長編小説の中で、かなり久しぶりに満足できた作品に出合えました。
最後の方はかなり刊行ペースも落ちてしまいましたが、待った甲斐あってかなりいい終わり方だったな、と。

この作品を読み始めたのは、確か5~6冊くらいしか出ていない時で、お勧めの小説は何かありますか?とここで呼びかけた時に教えてもらったように記憶しています。

それまで小説と言えばライトノベルも含めてシリアスなものしか読んだことがなかったので、コメディタッチのこの作品は私の中ではかなり新鮮でした。
小説でも読んでいて笑えるのだ、と知りました。

ただ、ほぼコメディタッチの短編に比べて、当初本編はあまり好きにはなれませんでした。
舞台は現代日本なのに、不可視にできる人型のロボット同士で戦ったり、心の強さを物理エネルギーに変換して戦ったり、科学的に進み過ぎていることに対してかなり違和感がありました。
序盤で「この世界は進み過ぎている」と登場人物が語るシーンがあることでかろうじて納得はしていたものの、ウィスパードとは何なのか?、という謎解きが出て来るまでは、この作品は短編の力で持っているな、くらいに思っていました。

ついでに、かなめがウィスパードとして覚醒した後も、かなり後半になるまで敵が本格的に攻めてこなかったのも、このまま作者は完結させるつもりないのかな?、とすら思っていました。
「踊るベリー・メリー・クリスマス」辺りまでは、ずっとそんな感想でした。


それが覆されたのが、ラスト3巻。
まず最初に出てきたウィスパードとは何なのか、という謎解き。
ウィスパードは未来から送られてきた知識を受信して、それを現代に利用しているということで、数百年後の知識を受信していたら、そりゃオーバーテクノロジーにもなるよな、と。
後にこれは数百年後からの知識ではなく、未来のかなめが過去に向けて知識を送っていて、それが何百回も繰り返された結果、この世界の文明になったのだというのがわかるわけですが、こちらの謎解きの方が更に納得させられるというのはすごいな、と素直に感じました。

また、終盤はそのオーバーテクノロジーによって変わってしまった世界を本来の姿に戻すのを阻止する、というちょっと間違えば話の方向が明後日の方に行ってしまいそうなのを上手くまとめていて、その辺りもまたすごいな、と。
並行世界とか分岐未来とか、そういったものを観測できるとかまで話が広がってしまうとおかしなことになったと思うのですが、そういうものは存在するかもしれないけど観測することはできないし、世界が本来の姿になったとしてもそれがおかしいと感じることはない、というところに留めておいたのは本当に上手いな、と感じました。
もし私がこういう話を書いたとしたら、ここですごく風呂敷広げてしまうと思いましたし。

で、終盤で活きてくるのが序盤の世界観設定。
ウィスパードが生まれるまでは現実の世界とほぼ同じ歴史を辿っていたのが、ウィスパードが生まれたことで歴史が変わってしまっている、という。
例えば、この作品の世界では米ソの冷戦は終わっていなかったり、ソビエトも崩壊してなかったり、中国が南北に分断していたり。
この作品の世界では並行世界を観測することはできないけど、現実世界がある意味この世界からすると並行世界でもあるわけで、その辺りちゃんと最初から考えられていたのだろうな、と。
中盤までは行き当たりばったりの話になっているのかとも思っていましたが、全くそんなことはなく。
この辺りがすごく満足できた部分でした。

最後に唯一気になったところは、最後の戦い寸前で宗介に対して、

・宗介は平和な世界で暮らすべき人間だった
・宗介は戦いに向いてない
・宗介自身、ASの操縦に関しても才能があったわけではない

などなど、宗介は本来戦いの中にいるべき人じゃない、という描写はちょっと取ってつけたような感じがしてしまいました。
それまで宗介はASの操縦は天才的ってイメージを持っていたので、違和感がありました。
まぁ、宗介は唯一アーバレストやレーバテインを操縦できたというだけで、ASの操縦が天才的ということではなかったわけで、私の中でそういうイメージがあったから違和感が出ただけなのですが。

今後は短編が出るかもしれないとのことで、それにはちょっと期待しています。
久しぶりに楽しい話を読んでみたいと思っていたところですし。
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