コミックスREVIEW・更新 [漫画全般]
「かしずき娘と若燕・高透レイコ・スクウェア・エニックス」
「シスプラス・勇人・スクウェア・エニックス」
「新・心の星に輝きを・松葉博・マッグガーデン」
「東京ボイジャーレコード・たし・一迅社」
「ハイスコアガール・押切蓮介・スクウェア・エニックス」
「ひとりみ葉月さんと。・カザマアヤミ・スクウェア・エニックス」
「ほしのうえでめぐる・倉橋ユウス・マッグガーデン」
差し替え作品
「グラール騎士団・sion・一迅社」
「少年探偵犬神ゲル・ゴツボ☆マサル・スクウェア・エニックス」
「STAR DRIVER 輝きのタクト・KEYbyYlab・スクウェア・エニックス」
「ハーメルンのバイオリン弾き~シェルクンチク~・渡辺道明・スクウェア・エニックス」
「Luck Stealer・かずはじめ・集英社」
今月はやや小粒な印象で、お勧め作品は1作「ハイスコアガール」です。

ハイスコアガール(1) (ビッグガンガンコミックススーパー)
- 作者: 押切 蓮介
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 2012/02/25
- メディア: コミック
1991年、ゲームセンターではストIIが全盛だった頃。
ゲーセンに足しげく通う小学生・矢口ハルオは、ストIIで連勝を重ねる同じクラスのお嬢様・大野晶と対戦し、連敗地獄を味わった末、禁じ手の待ちガイルと投げハメを使って勝利するが、直後リアルファイトへと発展してしまう。
そうして出会った2人の物語。
多分世代的には私とビンゴくらいの話なのですが、当時はゲーセンすらない田舎に住んでいたので、ストIIはもっぱらSFCで遊ぶものでした。なので、作中で出てきたゲームと、私が実際遊んでいたゲームとでダブっていたものは少なかったです。
ただ、ゲームセンターCXをよく見ているのと、旦那さんがこの時代のアーケードに詳しいのとがあり、読んでいても意外と名前を聞いたことあるというゲームが多かったです。
また、当時のゲームを知らなくても作中で割と丁寧に解説されているので楽しく読めますし、知っているとより楽しめるので、一部のコアな人たち向けというより万人向けの作りになっています。
絵はとっつきにくいですが、絵で敬遠すると損する作品の代表格みたいな感じです。
完結作品の中では「Luck Stealer」がきれいに完結していてよかったです。
かずはじめさんの代表作としては「MIND ASSASSIN」「明稜帝梧桐勢十郎」などがあって、どちらもそれなりに連載が続き、終わったときもそこまで打ち切り感が強かったわけではなかったですが、大団円できれいに終わっているというわけでもありませんでした。
でも、この「Luck Stealer」は、残された伏線もなく、後腐れもない、読後感のいい終わり方になっていました。
本当にきれいに完結しています。
同時期に連載されていた「屍鬼」がアニメ化されたならこの作品もアニメ化してもいいくらいなのに、と思っていたのですが、特にメディアミックスもなく終わってしまったのが少し残念です。
「MIND ASSASSIN」が好きだった人は、完結を機に一気読みしてみるといいかもしれません。
コミックスREVIEW・更新 [漫画全般]
「暁の文・乾みく・一迅社」
「うみねこのなく頃に 散 Episode7・水野英多・スクウェア・エニックス」
「カナシカナシカ・紺野キタ・新書館」
「繰繰れ!コックリさん・遠藤ミドリ・スクウェア・エニックス」
「蒼海訣戰-世界編-・納都花丸・アスキー・メディアワークス」
「ひぐらしのなく頃に 礼 賽殺し編・鈴羅木かりん・スクウェア・エニックス」
「放課後ヒーロー・ウダノゾミ・スクウェア・エニックス」
差し替え作品
「飴色紅茶館歓談・藤枝雅・一迅社」
「当世幻想博物誌・片山愁・一迅社」
「はなまる幼稚園・勇人・スクウェア・エニックス
「ぱにぽに・氷川へきる・スクウェア・エニックス」
「モノクローム・ファクター・空廼カイリ・マッグガーデン」
「わんぱぐ!・樒屋涼・マッグガーデン」
今月のお勧め作品、1作目は「カナシカナシカ」です。
幼い頃から誰かの気配を感じていた少年・藍は、ある日異世界に迷い込んでしまう。
藍はそこで不思議な少女・すずろと出会い、実は藍が異世界の住人で、すずろが本来藍の代わりに生まれるはずだった子供だと知る……という話です。
1巻で完結しているのですが、この作品の素晴らしいところは、1巻で結末まで描き切っているところ。
話の中盤で藍は異世界と現実世界を行ったり来たりするのですが、この手の話はこの部分をいくらでも引き延ばすことができますし、1巻といわず1桁の巻数での完結作品だった場合、異世界との行き来が続いている状態で終わることが多いです。
でもこの作品は、異世界との行き来ができなくなるところまで描いていて、本当にきれいに終わっています。
また、話の雰囲気も紺野キタさんの良さがすごく出ていて、幻想的で儚い感じで、絵から切なさが伝わってきます。
紺野キタさんの作品を買うきっかけになった「ひみつの階段」を読んだ時と似たような感覚を持ちました。
こういうジャンルの作品を描かせると上手いな、と思います。
紺野キタさんの作品は久しぶりに買ったので、ここ最近の作品をもう少し買い集めてみようかな、という気になってきました。
お勧め作品2作目は「繰繰れ!コックリさん」です。

繰繰れ! コックリさん(1) (ガンガンコミックスJOKER)
- 作者: 遠藤 ミドリ
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 2011/12/22
- メディア: コミック
自称・人形だという少女・こひなが行ったコックリさんで召喚された狐の幽霊・コックリさん。
何だかんだでダメダメな生活を送るこひなが妙に気になり、コックリさんはあれこれこひなの世話を焼くようになる、というお話です。
基本的にはギャグ漫画で、コックリさんと後々同居することになる犬神がこひなに振り回される、という展開が多いです。
絵もデフォルメされたものが多いのですが、作者が本気を出すと十分ストーリー漫画でも通用するくらい絵が上手かったりするので、その辺りのギャップも楽しめます。
連載誌はガンガンJOKERなのですが、同居幽霊ものとして「絶対☆霊域」があるので、ジャンル的にちょっと被ってるな……というのが連載当初はちょっと心配でした。
でも、連載が進むとこちらはこちらで個性があって、楽しく読めています。
主人公のこひなは学校ではイジメに遭っているのに、自分は人形だからと全く気にもせず、だからといって真面目ではなくて宿題サボりまくりで普段はインスタント生活……と今までに見たことないタイプの主人公でした。その辺りが結構ツボです。
今後まだまだ伸びそうな作品です。
その他気になった作品としては、REXで打ち切りになってしまった「蒼海訣戰」がタイトルを「蒼海訣戰-世界編-」として、無事コミックスが刊行されました。
話は完全に繋がっていて、第2部になったからとか出版社が変わったからという不自然な新キャラ投入もなく、いい感じに続いています。
無事完結まで行ってくれることを願っています。
漫画の雑談 [漫画全般]
「あさりちゃん」と言えば、この作品の2巻が、私が生まれて初めて買ったコミックスだというのは何度か書いたことがあります。
そして、未だに連載が続いている作品でした。
小学4年生の女の子・あさりが主人公で、6年生のタタミという姉を持ち、両親と4人暮らし。(後に飼い犬うにょが追加)基本的には日常の話がメインで、ちびまる子ちゃんやサザエさんと系統的には同じです。
現在96巻まで刊行されていて、2月末に97巻が発売される予定。少女漫画の中では最長連載&最長巻数だったりするのですが、本屋さんでは入荷数も少なくて知名度的にはいまひとつ……
かつてアニメ化もしていて、私が子供の頃はよく再放送もしていたのですが(夏休みの午前中とか)、懐かしのアニメで紹介されることはほとんどない、そんな作品です。
「あさりちゃん」は小学館の学習雑誌で連載されていて、2年前に「小学五年生」「小学六年生」が休刊になるというニュースが流れた時、この2誌で連載されている作品はどうなるの?、という話になった時も「あさりちゃん」は空気扱いだったのですが、残る学習雑誌の中で連載していくということで、当時連載終了の話は出ませんでした。
それが今回「小学三年生」「小学四年生」が休刊となり、「あさりちゃん」の掲載誌は「小学二年生」しか残らないことになり、終了へ向けて話が流れていったみたいです。
ただ、小学館との契約で100巻まではコミックスを出すことになっていて、残り3冊は描き下ろしで刊行されるとのことで。
20数年前に「あさりちゃん」のコミックスを買ったことが、私の人生の分岐点の1つだったように思うのですが、「あさりちゃん」って当時から良くも悪くも劣化しないし進化もしない、ずーっと安定して読める作品でした。
30巻以降になってからクラスメイトの名前やキャラが固定化されたり、飼い犬ができたりとか、基本的に8Pの読み切りなのでネタが被ることも多々ありましたが、本当に飽きずに読めました。
今まで買ってきた他の作品のコミックスの中には、つまらなくて買いたくないのに最後を確認したいからと惰性で買い続けたものもありましたが、「あさりちゃん」に関しては惰性ではなく普通に読みたいと思って買っていました。
低学年向けのギャグ漫画となると、年齢と共に肌に合わないな……と思って読まなくなったりしましたが、「あさりちゃん」は年齢を重ねても特に拒絶反応が出ることもなく読み続けられました。
こち亀みたいに、その時その時の流行なんかも入ってきていて、作者もちゃんと調べて描いているんだなぁ、と思ったもので、古臭さはなかったです。
そんな作品が終わってしまうということで、残念半分、寂しさ半分、といった感じになっています。
②リューシカ・リューシカはやっぱり面白い

リューシカ・リューシカ(3) (ガンガンコミックスONLINE)
- 作者: 安倍 吉俊
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 2011/11/22
- メディア: コミック
先日「リューシカ・リューシカ」の3巻を読み終えたのですが、やっぱりこの作品は読んでいると心にグイグイ入り込んできて、素晴らしい出来具合になっていました。
特に、表紙。
この巻からリューシカの家にペットとしてカメレオンがやって来るのですが、表紙ではそのカメレオンの絵をリューシカが描いています。
で、上記のようにリューシカの描いたカメレオンが七色なんですよね。カメレオン自体は緑色なのに。
カメレオンが周りに合わせて体色を変えるということを知ったリューシカには、こういう風に見えているのか、と。
また、3巻では、リューシカが父親のメガネをかけたら世界がグニャグニャに見えて、父親に自分はちゃんと見えると言われたら、2人は別の世界を見ているんじゃないかと思ったりするというのがあって、確かそう考えてもおかしくないなぁ、と思ったり。
本当、こういう大人が忘れていたような感覚をいくつもいくつも見せてくれて、読むたびに感動します。
ちなみに、今のところ1番好きなのは2巻のセミの話。
リューシカがセミを捕まえてきて箱に閉じ込めて、最初は暴れている音を楽しんでいるのだけど、次第にセミが動かなくなって、恐る恐る箱を開けたらセミがひっくり返っていて……その時初めて自分が何をしてしまったのか気付くリューシカには、心絞めつけられるものがありました。
この作品はガンガンONLINEで連載中ですが、コミックスでまとめて読みたいので、あえてネットでは見ていなかったりします。
3巻が出たばかりですが、早くも4巻に期待しています。
コミックスREVIEW・更新 [漫画全般]
「オムメダイ・榧世シキ・一迅社」
「CRY EYE・空野晶・マッグガーデン」
「SERVANT×SERVICE・高津カリノ・スクウェア・エニックス」
「すみっこの空さん・たなかのか・マッグガーデン」
「ソウルイーター ノット!・大久保篤・スクウェア・エニックス」
「空声・こがわみさき・アスキー・メディアワークス」
「千歳ヲチコチ・D・キッサン・一迅社」
「鉄楽レトラ・佐原ミズ・小学館」
「ハルポリッシュ・土塚理弘×みなもと悠・秋田書店」
「ひまわり 2nd episode・檜山大輔・スクウェア・エニックス」
「ゆり子には内緒・D・キッサン・一迅社」
差し替え作品
「#000000・如月芳規・一迅社」
「クリムゾン・エンパイア・双葉はづき・一迅社」
「シューピアリア クロス・ichtys・スクウェア・エニックス」
「Steins;Gate 亡環のリベリオン・マッグガーデン」
「D・ドロップス・椎名・スクウェア・エニックス」
「とある飛空士への追憶・小川麻衣子・小学館」
「鳥籠学級・真柴真・スクウェア・エニックス」
「年中無休★サンタさん!・仏さんじょ・一迅社」
「秒速5センチメートル・清家雪子・講談社」
「僕と彼女の×××・森永あい・マッグガーデン」
「ランメルモールの少年騎兵隊・夏西七・スクウェア・エニックス」
今月のお勧め作品、1作目は「すみっこの空さん」です。
とある文房具会社に勤め、絵本作家としてデビューしたものの泣かず飛ばずのまま会社も辞め、田舎に引っ越してきた青年の飼っているカメの視点で話は進んでいきます。
引っ越し先の田舎で出会った金髪青目の少女・空との交流の中で、日常の小さな幸せなどを見つけていく心温まる話です。
私の好きな癒し系の話で、読んでいるとかなり癒されます。
主人公(?)のカメの名前はプラトンで、プラトンは空のことをソクラテスだと思い込んでいるというのもあり、作中では哲学者の言葉がいろいろと引用されていて、これを読むのもまた楽しいです。
空は少し変わった視点を持っている子で、そういう発想なかったなぁ、と感じることが多々あり、読んでいて飽きません。
例えば、パルテノンに行こうとして(日本の田舎町でのことなので、この時点で十分おかしいですが)分かれ道に来た時、漢字が読めないけど同じ5文字だからと看板の「件山登山道」がパルテノンの方向だと信じて進んでいったり。
「リューシカ・リューシカ」を読んでいるときの感覚に近いものを感じたので、こちらが好きな人には合うかと思います。
お勧め2作目は「千歳ヲチコチ」です。

千歳ヲチコチ 1巻 (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)
- 作者: D.キッサン
- 出版社/メーカー: 一迅社
- 発売日: 2011/09/24
- メディア: コミック
平安時代。貴族のお姫様としてはちょっと変わった考え方を持つチコと、若い割には世を悟ったような性格の亨。チコが失くした文を偶然亨が拾い、それに返歌をしたことで2人の物語が進んでいく……という話ですが、コミックス1巻はもちろん、ゼロサムの連載最新号でも2人はまだ出会っていません。
話は2人のそれぞれの日常を交互に語っていく感じで、まわりを固めている感じです。
それでも面白いな、と感じるのは、平安時代のことをちゃんと調べて描いているな、というのが伝わってくるから。
セリフなどなどには結構横文字が出てきたりして、平安時代なのにこの言葉遣いは……と敬遠してしまいそうになる部分もあるのですが、髪の洗い方や服装のことなど、本当によく調べて描かれてあります。
平安時代好きの人なら確実に楽しめるかと思います。
いつもはお勧めを2作品に絞るのですが、今月はもう1作品追加して「鉄楽レトラ」もお勧めします。
バスケ経験者で中学入学時は誰よりバスケが上手かったのに、自分がバスケを教えた友人の方が上手くなってしまい、その友人に入院させるほどのけがを負わせて不登校になったしまった少年。
バッシュを捨てようと上った屋上で、同じく靴を捨てようとしていた少女と出会い、少年は少女にバスケのことを、少女は少年にスペインダンスのことを教える。
知り合いの誰もいない、遠い高校に通いながら少年はスペインダンスを始める決意をする。
そんなお話です。
作者の佐原ミズさんの作品は「ほしのこえ」「マイガール」と読んできて、どちらも名作だったのですが、この「鉄楽レトラ」もかなりいい作品になっています。
心理描写は相変わらず上手いですし、いつもながらの切ない雰囲気もいい感じです。
1巻ではバスケのシーンが結構入っていたのですが、この描写も上手かったです。スポーツものでもいけるんじゃないかな、と思えるくらい。
次からはスペインダンスが入ってきそうなので、そのシーンも今から楽しみです。
また、完結作品の中で注目したいのは「僕と彼女の×××」。
こつこつ隔月で掲載されて早10年。
エニックスのお家騒動の中で掲載誌が二転三転したものの、無事完結しました。
「パンゲア」と似たような経緯をたどりましたが、こちらはきれいに完結しています。
男女の心と体が入れ替わってしまう、というよくある設定の作品なのに、最後まで面白く読めました。
元に戻ろうと努力することよりも、入れ替わった後の生活に馴染む方に焦点が当たっていたのがよかったです。
終わり方にも納得がいきましたし、10年連載が続いても長すぎたという感じもしませんでした。
まだ番外編の掲載が残っているようですが、最終9巻として発行されるのか番外編の単巻として発売されるかわからないので、とりあえず8巻完結扱いでレビューを書きました。
コミックスREVIEW・更新 [漫画全般]
「いんてる先輩・ゆーじ・一迅社」
「うみねこのなく頃に 散 Episode6・桃山ひなせ・スクウェア・エニックス」
「楽屋裏-貧乏暇なし編-・魔神ぐり子・一迅社」
「銀の匙・荒川弘・小学館」
「執事に国境なんて・五十嵐嵐・一迅社」
「東京サマーオブザデッド・玖倉しいち・一迅社」
「博士の不可解な夜宴・木下さくら・マッグガーデン」
「蜂の巣・峰倉かずや・一迅社」
「”文学少女”と飢え渇く幽霊・高坂りと・スクウェア・エニックス」
「magico・岩本直輝・集英社」
差し替え作品
「アイドルマスター Splash Red・坂野杏梨・一迅社」
「アイドルマスター Innocent Blue・零壱・一迅社」
「アイドルマスター Neue Green・黒瀬浩介・一迅社」
「悪魔のつくりかた・木下さくら・マッグガーデン」
「うみねこのなく頃に Episode3・夏海ケイ・スクウェア・エニックス」
「屍鬼・藤崎竜・集英社」
「仕立屋工房・日丘円・スクウェア・エニックス」
「バナナのナナ・鬼八頭かかし・マッグガーデン」
「ひぐらしのなく頃に 解 祭囃し編・鈴羅木かりん・スクウェア・エニックス」
今月のお勧め作品、1作目は「執事に国境なんて」です。

執事に国境なんて 1巻 (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)
- 作者: 五十嵐 嵐
- 出版社/メーカー: 一迅社
- 発売日: 2011/07/25
- メディア: コミック
「愛にトシの差なんて」の続編で、主人公が新米執事のミュンスとなっていますが、基本的なノリは前作と同じです。
坊ちゃま大好きな執事・進右ェ門、50歳の年の差がありながら進右ェ門を愛する女子高生・和沙も健在で、その他個性豊かな脇役たちが勢ぞろい。
前作が1巻だけで終わってしまうには惜しいと思っていたので、続編が出てきてくれて本当にうれしかったです。
ゼロサムの中では絵柄もちょっと傾向が違い、「ストレンジ・プラス」のように腹を抱えて笑うタイプのギャグでもなく、地味に面白いタイプのギャグ漫画です。
傾向としてはGファンタジーの「キューティクル探偵因幡」のような感じで、安定して読める小ネタの面白い作品となっています。
ガンガンJOKERの「絶対☆霊域」も近い感じだと思うので、どうも私はこういうタイプのギャグ漫画が好きなようです。
お勧め2作目は「銀の匙」です。

銀の匙 Silver Spoon 1 (少年サンデーコミックス)
- 作者: 荒川 弘
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2011/07/15
- メディア: コミック
「鋼の錬金術師」の荒川弘さんがサンデーに移籍して連載しているこの作品。
北海道の農業高校が舞台で、同作者のエッセイ漫画「百姓貴族」がベースになっているような感じの作品です。
作者自身が農業高校出身ということで、話にはかなりリアリティがあって面白いです。
逃げた子牛の捕まえ方とか、実際に経験していないとわからないような小ネタが多くて楽しいです。
「鋼の錬金術師」とはまた違った方向で楽しめる作品ですが、「鋼の錬金術師」のような作品を……と思って期待していると、ちょっと違ってしまうかもしれません。
「鋼の錬金術師」とは話の方向性が違いすぎて比べる対象にはならないくらいですが、安定して読める良作です。
また、今月は割と豊作で、紹介した作品以外にもいくつかお勧めがあります。
「楽屋裏-貧乏暇なし編-」は「楽屋裏」の続編で、内容としてはほぼ一緒。
ただ、WARDで連載されている「漫画家デビューはしたれど」も同時収録されていて、個人的にはこちらの話の方が私好みです。
漫画家デビューして10年、未だ連載が持てない魔神さんの友人・井上さんの話です。
話の中で魔神さんから子猫を譲り受けてから猫漫画みたいになっていたりもしますが、それもそれで面白いです。

楽屋裏 貧乏暇なし編 1 (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)
- 作者: 魔神 ぐり子
- 出版社/メーカー: 一迅社
- 発売日: 2011/07/25
- メディア: コミック
「蜂の巣」は峰倉かずやさんの作品が好きなら買って損はしない作品です。
WARDで連載されている中で、作者の連載が「最遊記 外伝」に移行してしまって、そのままフェードアウトのような感じで終わってしまった、ちょっと残念な作品でしたが、内容は確かです。
治安の悪化により、死体から臓器を抜いて販売する臓器荒らしが横行するようになった日本で、臓器荒らしに奪われる前に死体を回収して正式な形で火葬する「葬迎員」の2人が主人公の話です。
この2人と、臓器売買を行う組織の総元締めである恩田との対立から話が進むかと思いきや、主人公2人と出会う前に話が終わってしまっていて、これからなのになぁ、と悔やまれます。
話は1話完結物が多いので、そこまで中途半端に終わっているというわけではないのですが。
できれば続きが読みたいなぁ、と思うわけですが、全1巻でコミックスが出たことでもう続きはないのかな、と思ったりも。
ページが足りない分はArcanaに収録された話が再録されていて、まとめて読むとやはり峰倉さんは話作りが上手いな、と感じます。
また、峰倉さんの作品「WILD ADAPTER」が10月から新装版として刊行されます。
どうも作品自体一迅社に移籍するから改めてコミックスを出し直す、ということのようで、移籍前のコミックスが6巻まで出ている中で5巻まで持っている私は(6巻の発売を知らなかった)、買うしかないのかなぁ、と思ったり。
今更移籍前の6巻を買っても、続きが出るわけでもないので。
でも、峰倉さんは現在もリハビリ中ですし、復帰後も最遊記の連載が最優先されると思うので、「WILD ADAPTER」は気長に待つしかないような気もします。

峰倉かずや短編集 蜂の巣 (IDコミックス/ZERO-SUMコミックス) (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)
- 作者: 峰倉かずや
- 出版社/メーカー: 一迅社
- 発売日: 2011/07/25
- メディア: コミック
完結作品の中での注目作は「ひぐらしのなく頃に 解 祭囃し編」。
「ひぐらしのなく頃に」シリーズの本編がついに完結し、大団円での終わりとなっています。
コミックス描き下ろしで、美代子の運命の分岐点での話が追加されている辺り、にくい演出だな、と感じました。
現在ガンガンJOKERで連載されている「ひぐらしのなく頃に 礼 賽殺し編」をもって本当の完結になるわけで、まだ正式に終わったというわけではありませんが、最初から最後までキッチリ漫画として描かれてよかったな、と心から思います。
各エピソードで作画を分けて同時連載していく形でなかったら完結までもっと時間がかかったと思いますから、この方式にしたのは正解だったのだな、と今更ながら思います。
この作品も最初からまた読み直してみようかな、と思っています。

ひぐらしのなく頃に解 祭囃し編(8)(完) (ガンガンコミックスJOKER)
- 作者: 竜騎士07
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 2011/08/22
- メディア: コミック
コミックスREVIEW更新 [漫画全般]
「オシエシラバス・高尾じんぐ・スクウェア・エニックス」
「学園革命伝ミツルギ なかよし・行徒・スクウェア・エニックス」
「グリオットり眠り姫・藤村あゆみ・一迅社」
「佐藤くんと田中さん・高河ゆん・一迅社」
「スカイブルー・小林大樹・スクウェア・エニックス」
「曇天・プリズム・ソーラーカー・村田雄介・集英社」
「ノッキン!・群青・一迅社」
「フダンシフル!・もりしげ・スクウェア・エニックス」
「ヘタッピマンガ研究所R・村田雄介・集英社」
「ぼくの体はツーアウト・よしたに・集英社」
差し替え作品
「アリサのために・南澤久佳・Bbmfマガジン」
「エスプリト・筒井大志・マッグガーデン」
「幻影博覧曾・冬目景・幻冬舎
「失楽園・尚村透・スクウェア・エニックス」
「SCRAMBLE!・柴田亜美・スクウェア・エニックス」
「死神様に最期のお願いを・山口ミコト・スクウェア・エニックス」
「絶対+女王政・鳴見なる・スクウェア・エニックス」
「デュラララ!!・茶鳥木明代・スクウェア・エニックス」
「10-4・葉芝真己・スクウェア・エニックス」
「東京☆イノセント・鳴見なる・スクウェア・エニックス」
「なんて素敵にジャパネスク 人妻編・山内直実・白泉社」
「はつきあい・カザマアヤミ・スクウェア・エニックス」
「パンゲア・エゼル・浅野りん・マッグガーデン」
「忘却のクレイドル・藤野もやむ・マッグガーデン」
「わ!・小島あきら・スクウェア・エニックス」
今月のお勧め作品、1作目は「オシエシラバス」です。
受験とはまだ少し縁遠い高校1年生のまといが買った中古の参考書から、家庭教師を名乗る妖精・教恵が現れる。
勉強を教える代わりに、受験に失敗すると本当に死んでしまうというリスクがある中で、まといと教恵の同居生活が始まる……という内容です。
作者は「んぐるわ会報」を描いていた高尾じんぐさんで、「んぐるわ会報」同様、かなり安定感のある話となっています。
基本的には明るい学園物の話で、他の学園物の作品と比べると、勉強の要素が少し多いかな、という感じです。
ストーリーにすごく引き込まれるというわけでも、腹を抱えて笑えるギャグ漫画というわけでもないですが、読んでいるとホッとできる作品です。気楽に読める感じでしょうか。
「んぐるわ会報」が好きだった人は間違いなく買って損しない作品です。
お勧め作品2作目は「スカイブルー」です。
幼い頃に両親と妹を亡くし、ケンカに明け暮れた少年の体にスカイブルーと名乗るエネルギー生命体が宿る。
やがて世界中で同様に色の名前を持つ生命体を体に宿す人たちが現れ、その者同士が戦う色彩戦争が始まる、という物語です。
コミックスの裏には「王道バトル少年漫画」と大きく書かれているのですが、この作品ってそういうコンセプトで売ることにしたんだ、とちょっとビックリしました。
王道バトル漫画と言えばそうなのですが、個人的には所々いい具合に捻られていて、王道っていう王道でもないと思っていたので。
あらすじを書いてみると、確かに王道バトル漫画かなぁ、と思ってしまったりもするのですが。
ページ数的に250P前後の厚いものが2冊同時発売で、ちょっと手を出しにくいところもあるのですが、とりあえず1巻だけ読んで面白いと思えばそれ以降も買って大丈夫かと。
1巻の最後の方にある灰岡ハイジのエピソードをガンガン本誌で読んで、この作品は面白くなっていくんじゃないか、と私は思ったので。
話を全て表現できるだけの画力はまだないですが、将来性に大きく期待しています。
その他、今月は結構豊作で、ちょっと興味が出たら買って損はしないだろう、という作品が多かったです。
軽く紹介すると、

グリオットの眠り姫 1巻 (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)
- 作者: 藤村 あゆみ:漫画 霜月 はるか&日山 尚:原作
- 出版社/メーカー: 一迅社
- 発売日: 2011/06/25
- メディア: コミック
「グリオットの眠り姫」は、「ティンダーリアの種」と同じコンセプトで、同じ作者の音楽CDの世界が原作となっている作品です。
話は全く違うものですが、前作と作画が同じ藤村あゆみさんなので、前作が好きだった人は買って損はしません。
「曇天・プリズム・ソーラーカー」は、原作がヤングガンガンで連載しているフロントミッションと同じ太田垣康男さんということで買ってみました。フロントミッションがオムニバスストーリーなので、太田垣さんは話作りが上手いのだろうな、と思っていたというのもあり。
それで読んでみたらいい意味で想像通り面白くて、2巻できれいにまとまっていたので、サクサク読めてよかったです。
作画の村田さんも「アイシールド21」と同様に絵に迫力があってよかったです。
「ヘタッピマンガ研究所R」は、特に漫画家を目指している人でなくても、読み物として面白く読める作品になっていました。
漫画を描くためのノウハウだけでなく、冨樫義博さん、河下水希さん、島袋光年さんなどのインタビューが入っていたりして、作品を知っている人なら買って損はないかと。
今月の完結作品の中での注目作品、1作目は「パンゲア・エゼル」。
かつてのエニックスお家騒動の中で連載が中断し、マサムネで連載が再開し、その後アヴァルスで無事(?)完結しました。
一時は連載再開すらないんじゃないか、とすら思えた作品が完結してくれたのは良かったのですが、残念ながらスッキリきれいに終わっているわけではなかったので、それが残念でした。
謎解き自体は終わっているのですが、引っ張るだけ引っ張って謎解きはそれか……という感じもあり。
作者の浅野さん自身が連載中に結婚されたり出産されたりしていますし、掲載誌のアヴァルスが結構頻繁に連載が入れ替わる雑誌だったりするので、その辺り影響しているのかな、と思ったりも。
とにもかくにも、完結してくれたことを喜びたいです。
注目作品2作目は「死神様に最期のお願いを」。

死神様に最期のお願いを(4)(完) (ガンガンコミックスJOKER)
- 作者: 山口 ミコト
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 2011/06/22
- メディア: コミック
1巻が発売されたときにこのブログでお勧め作品として紹介しましたが……4巻で打ち切りとなってしまいました。
2巻の途中くらいまでは良かったのですが、そこから大きな寄り道というか、作品の根幹にある事件の話が進まなくなってしまって、最終回予告もなくサクッと打ち切られてしまいました。
で、最終的に犯人不明のまま終わっているので、かなりモヤモヤします。
犯人を推理するヒントはいくつか提示されていますが、2時間ドラマでこいつが犯人だろうって推理できるレベルのものではなく、結構ちゃんと考えないとダメな感じです。
カバー裏には追加のヒントもありましたが、1つはブラフと書いてあったりして、タイプ的にはブレイドの中西達郎さんっぽいなぁ、と感じました。
作者の頭の中には話がきれいに組み上がっているのだと思います。
注目作品3作目は「なんて素敵にジャパネスク 人妻編」。

なんて素敵にジャパネスク 人妻編 11 (花とゆめCOMICS)
- 作者: 山内 直実
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2011/06/20
- メディア: コミック
漫画連載中に原作の氷室冴子さんが亡くなってしまい、いずれ続編が書かれるのではないかという希望がなくなり、原作も漫画もこれで本当に完結、ということで、読み終わったときに少し寂しい気持ちになりました。
原作を読んだのが中学時代だったので話の大半を忘れてしまっていたというのもあり、改めて漫画を読んだらある意味新鮮で、それでいてやっぱり面白くて、本当に惜しい作品だったなぁ、と感じました。
続編があったら、行方不明のままの吉野君のことがわかったり、瑠璃と高彬に子供ができているとかあったのかなぁ、と思ったりもして。
そういえば、歴史で平安時代辺りが好きになったきっかけの1つがこの作品だったりもしました。
コミックスREVIEW更新 [漫画全般]
「うみねこのなく頃に 散 Episode5・秋タカ」
「他人暮らし・谷川史子・集英社」
「吐息と稲妻・谷川史子・集英社」
「廃墟サークル・渡辺ゆうな・一迅社」
差し替え作品
「鬼切様の箱入娘・有楽彰展・スクウェア・エニックス」
「逆襲!パッパラ隊・松沢夏樹・一迅社」
「彩の神・上田信舟・一迅社」
「PSYREN・岩代俊明・集英社」
「新約オオカミが来る!・納都花丸・JIVE」
「蒼海訣戰・納都花丸・一迅社」
「ZOMBIE-LOAN・PEACH-PIT・スクウェア・エニックス」
「DARKER THAN BLACK 漆黒の花・岩原裕二・スクウェア・エニックス」
「東京バルド・麻生我等・スクウェア・エニックス」
「不機嫌な探偵 division-0・渡辺瑞樹・一迅社」
今月のお勧め作は……といきたいところなのですが、今月は新作が少ないのと、そこまでお勧めできる作品がなかったので、新作紹介はお休みします。
谷川史子さんの「他人暮らし」と「吐息と稲妻」は、いつもの感じで楽しめた作品なのですが、結構オチが読めてしまったり、終わり方がいまひとつな短編が多かったので、微妙なところでした。
相変わらず絵に癒される作品ではあったのですが。
ということで、今月は完結作品についてのみ語ります。
きれいに終わった作品としては「ZOMBIE-LOAN」があります。

ZOMBIE-LOAN(13) (完) (Gファンタジーコミックス)
- 作者: PEACH-PIT
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 2011/04/27
- メディア: コミック
作者のPEACH-PITさんが、「ローゼンメイデン」や「しゅごキャラ!」でドッカンドッカンくる前、少し名前が売れてきた頃に始まった連載で、それについては当時のGファンタジー編集部には先見の明があったのではないかな、と思います。
ただ、この作品もアニメ化されましたが、1クールのみで2期の制作もなく、アニメもそこまで話題にならなかったのが残念でした。
作品自体すごくよくできていて、話は中途半端にならず無事完結したので、もっと注目されていい作品だと思うのですが……終わり間際もそこまで特集されなくてちょっと寂しかったです。
全13巻とそこまで長くないので、完結を機にもう1度最初から読み直してみようかな、と思っています。
続いてちょっと残念な完結だったのが「蒼海訣戰」。
一応全10巻として出ていますが、話は完結していません。
続編は既に連載開始されているのでいいと言えばいいのですが、コミックスではこれからが本番、というところで終わっているのが寂しいところです。
REXでの連載時、REXの中でこの作品が常に1番面白い、くらいに私は思っていたのですが、どうも雑誌内での人気はそこまで高くなかったようで、連載後期になるにつれ、扱いが悪くなっていったような印象でした。
コミックスに関しても、次第に発行部数が減っていった印象で、本屋さんでも入荷冊数が最後はかなり少なくなっていたように感じました。
大型書店に行かないと売ってなかったですし。
でも、この作品も話はかなりよかったです。
人種差別や戦争などなど、結構深い話が多いですし、それらが破綻せずにいろいろ上手くかみ合っている設定も素晴らしいです。
コミックスREVIEW更新 [漫画全般]
「A-presto・十峯なるせ・一迅社」
「アルオスメンテ・あき・一迅社」
「かきかけとけしいん・たし・一迅社」
「CHRONOS-DEEP-・相川有・一迅社」
「STAR DRIVER 輝きのタクト・KEY by Ylab・スクウェア・エニックス」
「絶対☆霊域・吉辺あくろ・スクウェア・エニックス」
「装甲悪鬼 村正 魔界編・銃爺・マッグガーデン」
「とらねこフォークロア・東まゆみ・マッグガーデン」
「なにかもちがってますか・鬼頭莫宏・講談社」
「HELL HELL・東ジュン・スクウェア・エニックス」
「わんぱぐ!・樒屋涼・マッグガーデン」
差し替え作品
「える・えるシスター・邪武丸め一迅社」
「混沌の城・松葉博・マッグガーデン」
「夏期限定トロピカルパフェ事件・おみおみ・スクウェア・エニックス」
「学園ナイトメア・方條ゆとり・スクウェア・エニックス」
「瀬戸の花嫁・木村太彦・スクウェア・エニックス」
「隠の王・鎌谷悠希・スクウェア・エニックス」
「パラドクス・ブルー・nini×中西達郎・マッグガーデン」
今月はお勧め作品が多かったので、あえて2作品に絞り込まず紹介しようと思います。
お勧め1作目は「かきかけとけしいん」です。

かきかけとけしいん (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)
- 作者: たし
- 出版社/メーカー: 一迅社
- 発売日: 2010/09/25
- メディア: コミック
親に捨てられ、学校でのイジメで性格が捻くれてしまった少年・いのが、無愛想な青年・ろくの家に預けられることになる。ろくと暮らすうち、いのは次第に周囲に対して心を開いていくようになる、という話です。
この作品は全編単行本書き下ろし作品なのですが、第1話だけWARDにプレビュー掲載されました。
それがなかなか面白かったので、売っているのを見かけたら買おう、と思っていた作品だったのですが、なかなか本屋さんで見かけなくて、つい最近見つけて買いました。
話は少年・いのと青年・ろくの日常を追いかける中で、ちょっとした事件があったり出会いがあったりするほのぼの系ですが、この2人の主人公の個性が光っていて、ほのぼの系の他の作品とは一線を画した吸引力があります。
いのは前述のように親に捨てられたり学校でいじめられたり、と彼なりの捻くれてしまった理由を持ってはいるのですが、基本的には生意気で嫌なガキ。
周囲は腫れ物に触るように扱うし、本人は登校拒否で被害者意識が強く、大人にはずけずけと物を言うので、周りの大人が扱いかねたところでろくに預けられることになります。
そんないのに対して、ろくもずけずけと物を言いますし、学校に行かないのなら行かないで家の手伝いをさせて規則正しい生活を送らせます。
口だけは達者だったはずのいのも、冷静に正論を並べられるとろくには反論できなくて、心の中でいろいろと文句を言いつつも、ろくに従いながら生活していく……というお互い不器用でギリギリの均衡を保っているような流れがよかったです。
全1巻ではもったいないような話なのですが、全編書き下ろしで続編がないような終わり方であることだけが残念です。
お勧め2作目は「絶対☆霊域」です。
格安のアパートに引っ越してきた青年・後藤聖一は、その部屋に取りつく地縛霊・上原ひな子と出会う。
ヒナは聖一を脅かして追い出そうとするが、聖一は逆に少女と合法的に同居できると歓喜する。
ここに怖がりの幽霊と、幽霊に恋する青年の同居生活がスタートした。
4コマが9割、1Pショートが1割くらいの作品で、決して絵が上手いわけではないですが、かなり読みやすい作品になっています。
4コマにしては絵がゴチャゴチャしていなくてセリフも少なめなので、サクサク読み進められます。
幽霊を恋愛対象にしたり、全てがポジティブシンキングで変態の聖一と、それに振り回されるヒナのやり取りが毎回楽しいです。
聖一のストーカーである前田などのサブキャラもなかなかいい味を出しています。
気軽に楽しめる1作かと思います。
お勧め3作目は「なにかもちがってますか」です。
平凡な日常を送っていた少年・日比野光は、転校生・一社高蔵と出会ったことで「物と物を入れ替える」という超能力を開花させる。
しかし、不安定な力のため、意図せず同級生を1人殺してしまう。
罪悪感に苛まれる光に対し、高蔵はその力を正義のために使うことを提案する。
「ぼくらの」の作者である鬼頭さんらしいというか、読んでいると結構いろんな意味で痛い作品です。
感覚的には「ぼくらの」に近く、良かれと思ってやったことが裏目に出たり、それゆえの罪悪感に苛まれたり、主人公たちに関係ある人たちがあっさり死んでしまったりします。
でも、続きが非常に気になるいい作品です。
「ぼくらの」が好きだった人は買って損しない作品だと思います。
お勧め4作目は「わんぱぐ!」です。
生後間もないパグ・ロミオを飼うことになった少女・樹里。
道具揃え・ドッグフード選びなどなど、何も分からない状態から少しずつ学び、ロミオと共に生活する楽しさを満喫するお話です。
作者自身がパグを飼っているためか、話が非常にリアリティ溢れるもので、犬を飼っていない私などは毎回「なるほどなぁ。」と感心することの多い作品です。
動物エッセイ作品とはまた違っていて、フィクションの世界の中にリアリティがあるのがいい感じです。
動物エッセイだと作者の親バカっぷりが時に気に障ることもあったりするのですが、フィクションの世界だと主人公が親バカでも、それはそれで納得できるところもあり。
犬を飼っている人にも飼っていない人にもお勧めできる犬漫画です。
その他気になった作品は、無事完結した「瀬戸の花嫁」。
かつてのガンガンWING看板作品で、アニメも成功していた中で突然休載してしまい、果たして完結するのか非常に危ぶまれた作品でしたが、この度無事最終巻が発売されました。
休載直前は、絵もなんだか変わってしまって雑になった印象があり、話もテコ入れのように新キャラばかり増えてどうなることかと思っていたものでした。
それから約2年休載されてしまい、もう作者が描けなくなってしまったのかも、と思いつつ、それでもガンガンWING最終号に「瀬戸の花嫁はガンガンJOKERに移籍します。」という告知があったので、再開したらもうけもの、くらいの感じで気長に待っていました。
そんな中、ガンガンJOKERで連載が再開され、無事完結。
9割くらいの確率でこのままフェードアウトしてなかったものになってしまうと思っていただけに、本当に完結してくれてよかったです。
可能であれば完結するところまでアニメなりOVAなりで出してほしいところですが、完結した作品が映像化されることは稀ですから、無理なのかな……とも思います。
コミックスREVIEW更新 [漫画全般]
「赤色魔法・赤夏・一迅社」
「enigma・榊健滋・集英社」
「牙の旅商人・梟・スクウェア・エニックス」
「金銀砂子・赤夏・一迅社」
「グラール騎士団・sion・一迅社」
「docca・渡辺祥智・マッグガーデン」
「バナナのナナ・鬼八頭かかし・マッグガーデン」
「秒速5センチメートル・清家雪子・講談社」
「ぼくラはミンナ生きテイル!・Tiv・一迅社」
「ライアー×ライアー・金田一蓮十郎・講談社」
差し替え作品
「暁の闇・夏乃あゆみ・マッグガーデン」
「うみねこのなく頃に Episode2・鈴木次郎・スクウェア・エニックス」
「このこここのこ・藤こよみ・一迅社」
「獣神演武・荒川弘・スクウェア・エニックス」
「-di[e]ce-・山本佳奈・一迅社」
「閉ざされたネルガル・あるまるみ・スクウェア・エニックス」
「夏のあらし!・小林尽・スクウェア・エニックス」
「ハートの国のアリス・ほしの総明・マッグガーデン」
「鋼の錬金術師・荒川弘・スクウェア・エニックス」
「BAMBOO BLADE・五十嵐あぐり・スクウェア・エニックス」
「フダンシズム・もりしげ・スクウェア・エニックス」
「”文学少女”と死にたがりの道化・高坂りと・スクウェア・エニックス」
「マイガール・佐原ミズ・新潮社」
「白黒奇譚・楠りんか・スクウェア・エニックス」
今月のお勧め、1作目は「金銀砂子」です。
女が完全な物として扱われる大遊里・密街を脱走して人斬りを遊びとして行う少女・果実と、何者かに追われてどこか壊れた毬売りの青年・芭蕉が出会い、旅をする話です。
主役の2人はどちらも心が壊れかけていて、果実は人を斬ることで、芭蕉は麻薬に頼ることで何とか現実に心を留めているような危うい感じが何とも言えずよい雰囲気を出しています。
2人がなぜ心を壊しかけているのか、その辺りにも十分説得力があるので、読んでいて都合のよさは感じませんでした。
絵も話にピッタリで、やや読みにくいところもありますが、所々に残虐性がありつつ幻想的でかなり引き込まれます。
1巻完結作品なので、手の出しやすい作品かと思います。
ちなみに、同じ赤夏さんの作品で「赤色魔法」という短編集も同時発売されています。
全9作品が収められている短編集で、主にゼロサムで代原だったと思われる読み切りが収録されています。
雑誌の代原となるとあまり質が高くないのが通例なのですが、赤夏さんは別格で、どれもよくできています。
短いページ数でまとめるのが上手く、下手に連載狙いになっていなくて、読み切りとして完結している作品が多いのが良いです。
明るい話から暗い話まで、ファンタジー要素があるものないもの、いろいろなタイプの話が読めてお得です。
一迅社ってあまり作家さん別の短編集などは出さないので、それが出ることだけでも将来性はあるかと思います。
赤夏さんは今1番応援している作家さんです。
お勧め2作目は「牙の旅商人」です。
魔物が跋扈し、山賊なども横行する中、開拓民の馬車が悪名高い山賊に襲われる。
その中で唯一、わざと生き残された少年・ソーナは瀕死の状態だったところを1人の美しい武器商人・ガラミィに拾われる。
命を救ってもらった代わりにガラミィの所有物となったソーナは、自分の命の代価を払うためにガラミィと共に旅をすることになる、というストーリーです。
原作の七月鏡一さんがあとがきで、作画の梟さんの絵に出合って連載を決めた、と語るだけあって、かなり絵に引き込まれる作品です。
全体的にグロい描写が多くてすごく描き込まれているのですが、それでいて決して読みにくくない、むしろ読みやすい、というレベルの高い絵です。
更にすごいと思うのは、グロいゾンビやら魔物やらボロボロの老人やら醜い商人がいる中で、アイリ姫というかなりかわいいお姫様が出てくるところ。本当にいろんなタイプのキャラが描ける作家さんなのだと思います。
話も単純な勧善懲悪ではなく、後味か悪いものがあったり、倫理的にまずそうなところもあえてガンガン描いてしまっているところなど、読んでいていろいろと驚かされることもあってよい感じです。
話としてしっかり捻られている印象です。
今後にもすごく期待しています。
さて、今月は完結した作品の中にもかなりの名作が含まれているので、少し長くなりますが、紹介したいと思います。
まず完結作品の中で欠かせないのが「鋼の錬金術師」。
連載開始当初から完結するまで、全く息切れすることなく完走した数少ない名作だと思います。
今まで読んできた漫画の中で、連載中にアニメ化した作品は、掲載ページ数が増えてクオリティそのものが下がったり、人気が出て引き延ばし展開になったりすることがほとんどだったのですが、この作品に関してはそれが一切なかったです。
全27巻の中で、無駄な話もエピソードもなかったです。
完結した今だからこそ、1巻からまた読み返したい作品です。
次の作品は「マイガール」。
以前、1巻が発売されたときに個別で紹介するくらい好きな作品でしたが、雑誌の休刊に伴って連載も終わってしまった、少し残念な作品です。
この作品は最初からすごくゆっくり話が進むのがむしろ心地いい作品だったのですが、最後だけちょっと急ぎ足になっていたのが悔やまれます。
サザエさん方式ではなく、少しずつ作中の時間が経過していく中で、コハルが小学校を卒業するまで同じペースで話が進んでいればなぁ、と。
それでも、話はすごくよかったです。
主人公の正宗は決して仕事がバリバリできるタイプではないので、コハルのために仕事を頑張ろうと決意してもそれが空回りしたり失敗につながったり……でもそれがまたいいのです。
それでいて、とんとん拍子に進んでいたところをドーンと落とされることもなく、3歩進んで2歩下がるような地道な進み方が好きでした。
最後の作品は「BAMBOO BLADE」。

BAMBOO BLADE 14 (ヤングガンガンコミックス)
- 作者: 土塚 理弘
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 2010/11/25
- メディア: コミック
ガンガンはもとより、スクエニ系の雑誌の中でスポーツ物は成功しないと言われていた中でアニメ化まで行った希有な作品でした。
女子剣道部というちょっと珍しいスポーツが舞台で、作者もしっかりと剣道の知識があったというのも成功した理由の1つかと。
最後の榊心のエピソードはちょっと剣道以外のところが長すぎてだれてしまったところもありましたが、まとめ方はかなり良かったかと。
この作者・作画コンビでまた何か描いてほしいところですが、原作の土塚さんは結構自分で描きたいタイプのように見えるので、ちょっと難しいかもしれません。
他にも、「うみねこのなく頃に Episode2」「このこここのこ」「夏のあらし!」「”文学少女”と死にたがりの道化」など、なかなか良い完結作品が集まった月でした。

うみねこのなく頃に Episode2:Turn of the golden witch 5 (Gファンタジーコミックス)
- 作者: 竜騎士07
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 2010/12/22
- メディア: コミック

“文学少女”と死にたがりの道化 3 (ガンガンコミックスJOKER)
- 作者: 野村 美月
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 2010/12/22
- メディア: コミック
コミックスREVIEW更新 [漫画全般]
「悪魔のつくりかた・木下さくら・マッグガーデン」
「イヴの時間・太田優姫・スクウェア・エニックス」
「カッコカワイイ宣言!・地獄のミサワ・集英社」
「かんぱち・結城心一・一迅社」
「クロックワークガール・ハラヤヒロ・一迅社」
「D・ドロップス・椎名・スクウェア・エニックス」
「まかまか・美川べるの・角川書店」
「ミリオンの○×△□・金田一蓮十郎・スクウェア・エニックス」
「ランメルモールの少年騎兵隊・夏西七・スクウェア・エニックス」
「Red Raven・藤本新太・スクウェア・エニックス」
「私のおウチはHON屋さん・横山知生・スクウェア・エニックス」
差し替え作品
「ACONY・冬目景・講談社」
「カノジョは官能小説家・後藤晶・スクウェア・エニックス」
「新ブラックジャックによろしく・佐藤秀峰・小学館」
「超絶変身!!アースカイザー・くぼたまこと・講談社」
「ひょっとこスクール・武凪知・スクウェア・エニックス」
「マジョリン・よねやませつこ・一迅社」
今回のお勧めは「私のおウチはHON屋さん」です。

私のおウチはHON屋さん(1) (ガンガンコミックスJOKER)
- 作者: 横山 知生
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 2010/09/22
- メディア: コミック
エロ本専門店が実家の小学5年生の女の子が主人公の話ですが、作品自体にエロシーンがあるというわけではありません。
あくまでエロ本を専門に扱っている本屋さんの話です。
今までありそうでなかったジャンルを上手く持ってきたなぁ、と感じた作品です。
こういう形態のお店がないとなると微妙だったかもしれませんが、実際にあるというのを知っているだけに、いいなぁ、と。
私が知っているのは昔からある小規模な本屋さんなのですが、意外とお客が付いていたりして、やっぱり小規模な本屋さんが生き残るには何かに特化してないとダメなのかなぁ、と思ったものです。
なので、作中で常連さんがいたり意外とお客が入っているのも、それなりにリアリティがあるな、と感じられます。
細かいところにツッコミ所はありますが、ちょっと珍しい設定の話を求めている人にはお勧めです。
絵も割と読みやすいです。
今回は新作がちょっと不作気味だったので、完結作品から1作終わり方がよかったな、というのを。

新ブラックジャックによろしく 9 (ビッグコミックススペシャル)
- 作者: 佐藤 秀峰
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2010/09/30
- メディア: コミック
「新ブラックジャックによろしく」は、作者が別の出版社に移籍したり、何かと物議を醸し出す発言をしたり、作外でいろいろと問題がありましたが、作品はきれいに終わっていてよかったです。
話が進むにつれて1つのエピソードについてページ数を割くようになっていったので、途中ちょっと中だるみした感じもありましたが、最終巻の盛り上げはかなり良かったです。
この作品のどこが好きだったかというと、主人公の斉藤が医者の世界でタブーになっているようなことに斬り込もうとしたり、いろんなことに反発するのだけど、大きな流れに呑まれることもあれば少し保身が働いたりするところだったりしました。
最終巻はそれが強く出ていて、無理を通して実施した腎臓移植の後で教授に呼び出されたときの教授と斉藤とのやり取りは最高だったな、と。
ちなみに、1番好きだったのはタイトルに「新」が付く前のガン医療編でした。






























